石川県/バレーボールスクール/バレーボールクラブ
スポーツメンタルコーチ 前田佳奈
「緊張しない方法は何ですか?」
この質問は、スクール生もそうですし、担当している他のスポーツ競技の中学生からもよくある、共通の質問です。
はじめに結論から言います!
緊張しない方法は・・・
・・・
・・・
・・・
ありません!!!笑
「本当に?」
はい。本当にありません!
なぜなら、緊張というのは、人間がもつ『正常な』生理反応だからです。
「緊張しない方法が知りたくて読もうと思ったんだよ!」という声が聞こえてきそうですが、ガッカリするのはまだ早い。
緊張しない方法はなくても、緊張をコントロールする方法はあります!!
では、知りたい人だけ!続きをどうぞ。
緊張に対するネガティブな勘違い
昨日は卓球クラブ(中学生)のメンタルトレーニングでした。
そこで1人の男の子から、
「試合で緊張してしまって思い通りのプレーができません。どうしたらいいですか?」
という質問がありました。
まず、ここに、1つの勘違いが起こっているのですが、みなさんはお気づきですか?
私『緊張していても、思い通りのプレーはできるよ!』
え!?と驚いた表情の彼。
そして、さらにこう伝えました!
私『大丈夫。安心して!緊張しない方法なんて・・・ないから!笑』
えーっ!?って顔の彼。
この人、何言い出すん?って思ったかな?笑
このように、緊張に対しての勘違いはたくさんあります。
スクール生にもいましたが、
- 緊張する=メンタルが弱い
- 緊張する=調子が悪い
- 緊張してきた=ヤバイ
- 緊張してきた=どうしよう
みんな、緊張に対してネガティブな捉え方をしています。
これは指導者や親も同じで、
- ウチの子、緊張してる・・・(今日はダメな気がする)
- 「緊張しすぎだぞ!もっと落ち着けよ!」と怒鳴る(子どもはさらに緊張します!)
やはり、ネガティブな印象をお持ちの方が多いようです。
緊張って何?
緊張というのは、私たち人間のDNAに組み込まれた生理反応。
もともとは、生命の危機を感じたときに、なんとかその状況を回避するために出てきた「生き残る」ための反応です。
心臓がドキドキするのは、心拍数をあげることで血液を全身にめぐらせるため。
息苦しくなるのは、呼吸を早くすることで多くの酸素を取り込むため。
体がガチガチになるのは、筋肉を硬直させて衝撃を和らげようとするため。
頭が真っ白になるのは、脳神経を活性化させて機敏に反応できるようにするため。
このように、すべての緊張反応には、ちゃんとした理由があるのです!
ほかにも、
- 恐怖でいっぱいになる
- 声が震える
- 汗をたくさんかく
- 手汗がすごい
- トイレが近くなる
- お腹を下す
- 眠くなる
これらの緊張反応にも、ちゃんとした理由があります。
理由がわかれば、コントロールする方法もあると思いませんか?
緊張を味方につける
緊張反応がでる理由は、
- 初めてのことや未知との遭遇
- 敵意や苦手意識を感じたとき
つまり、スポーツでは『試合』がこれに当てはまりますよね!
理由がわかれば、対処法がわかります。
上の2つに関しての対処法はただ一つ。
万全な『準備』をしておくこと。
対戦相手に対策する練習もそれにあたりますし、イメージトレーニングも効果的。
何度もその場面をイメージし、初めてじゃない感覚にしておけばいいのです!
敵意があるのは勝ちたい証拠。
緊張反応は体が戦闘モードになってる証拠。
緊張OK!OK!
むしろ、緊張していないことは、試合で不利な状況とも言えます。
なぜ、緊張し過ぎるのか
とはいえ、緊張し過ぎて、ガッチガチ!頭まっ白!
これでは本来の力は出せそうにないですよね。
緊張のしすぎは「過緊張」と言われ、いい状態ではありません。
でも、大丈夫。
過緊張にも、ちゃんと理由があります。
- 悪い結果になる恐れを感じている
- 実力以上を出そうとしている
- 緊張は悪いものだと思っている
この3つが、正常な緊張を、過度な緊張に暴走させます。
理由がわかれば、対処法もありましたよね!
- イメージトレーニングで良い結果を作る
- 完璧を求めない(ミスを恐れず挑戦する)
- 緊張はあって当然。試合に必要なものだと受け入れる
ここでの対処法も、あまり変わりませんね!
緊張が何かを知り、受け入れ、味方につける。
そのために、イメージトレーニングが効果的だということです!!
緊張をコントロールする方法
そうは言っても!(2回目。笑)
「今週、試合なんです。。。
今からイメージトレーニングをしても、間に合いますか?」
しないよりは、もちろん、したほうがいいですが、イメージトレーニングにも正しいやり方がありますし、試合前に良いイメージができない場合もありますよね。
そういう人のために、緊張をコントロールする方法をお伝えしておきます。
それは・・・
深呼吸をすることです。
呼吸は、自分でコントロールができる部分です。そして、どんな場所でも、どんな場面でも、行うことができます。
しかも、誰にもバレずに。笑
【正しい深呼吸のやり方】
- ゆ~っくり息を口から吐く(約7秒)
- ゆ~っくり息を鼻から吸う(体全身に無敵なパワーがはいってくるイメージで!)
- ①②を繰り返す(5~7回)
できれば、落ち着ける空間でやったほうがいいですが、試合会場にはそんな場所があるかどうかわからないので、トイレに行った時や、アップ前に行ってもいいと思います。
ストレッチなどで、筋肉をほぐすのもいいですが、ほぐしすぎはNG。
リラックスのし過ぎは、よくありませんのでご注意を。
それでは!
緊張を味方につけ、持っている力を出し切れるように、頑張ってくださいね!!
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