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前田佳奈
中学生スクールでは「声を出そう!」と指導します。
声を出すのが苦手な子・声が小さい子・人見知りな性格な子からすると、とても勇気がいると思います。
(しつこく言われて嫌になっている子もいるね?笑)
バレー指導者に「なぜ声がそんなに大切なのか?」と聞けば、
- 声を出したほうが身体が動くから
- 声を出したほうがボールが繋がるから
- 声を出したほうがチームの雰囲気が良くなるから
と答えるでしょう。
これは本当にその通りです。
でもたまに、声をほとんど出さないチームが全国大会で勝ち上がることもあるし、声を出さないほうが集中できるという人もいます。
それでもLEADでは「声を出そう」と指導します。そこにはこんな理由があります。
大事な時に声を出せる人になってほしい
「大事な時」というのは、ラリー中や試合の大事な場面のことではありません。
これからみんなが生きていく中で「大事な時」に、ちゃんと声を出せる人になってほしいからです。
辛い時に「話を聞いてほしい」と言える人に
困っている人がいた時に「大丈夫ですか?」と言える人に
わからない時に「教えてください」と言える人に
嫌な時に「やめてほしい」と言える人に
どうすればいいか悩んだ時に「助けてほしい」と言える人に
無理をせず、自分の気持ちを「言葉で伝えられる」人に
人を傷つけてしまった時は「ごめん」と言える人に
感謝している時は「ありがとう」と伝えれる人に
こうした声が出せない人は、大人になってから、とても苦労します。
苦労という2文字では表すことのできないくらい、大変な想いをしています。
全く声を出さなかった先輩が伝えた言葉
先日からスクールの卒業生が練習に来てくれて、後輩たちと一緒にバレーしたり、アドバイスしてくれています。
その先輩の「カズキ君」の話をしますね。(LEADでは有名人かな?笑)
彼は中学1年生の時に、LEADへ来ました。
無表情で、全く声を出さず、まわりの仲間に声もかけず、ただ淡々と練習する子でした。
(今のカズキを知る人はきっと信じられないですよね?)
アドバイスしても聞いているのか・・・
私はよくスルーされて、幸介さんから「カズキ、ちゃんと佳奈に返事をしろ!」と注意されていましたね。
そんな彼ですが、どこで何が変わったのかわかりませんが、中3の夏ぐらいからムードメーカーになりました。(急に!笑)
彼がいると場が明るくなりますし、まわりは自然と笑顔になります。
声を出さなかったメンバーまで、つられて声を出すようになりましたし、
体育館の温度も上がる気がしますね。(たまに、うるさい!笑)
そんな彼に、後輩たち(中学生)がなかなか声を出せないことに対して、どうすればいいか?アドバイスしてほしいと尋ねると、とても優しくこう答えました。
相手にね、「伝えるぞ」って気持ちで声を出すんだよ。
ミスをして落ち込んでいる仲間に声をかけて、その人が元気になれば、その声は伝わった証拠だし、
その人が元気にならなかったら、それは【独り言】になるからね。
だから「伝えるぞ」っていう気持ちが大切だと思う!
きっとカズキが中学生の時も、カズキなりに声を出していたんでしょうね。
ただそれが、私には伝わってなくて、まわりのメンバーにも伝わっていなかった。
そんな彼だからこそ言える、素敵なアドバイスでした。
(カズキ、ありがとう!)
LEADはステージ裏の練習場
声を出すのが苦手なみんなは、きっと「照れ」や「恐れ」があるんだと思います。
それは、LEADを本番のステージのように思っているからかな?
嬉しいことではあるんだけど、もっと気楽に、もっと自由にさらけ出してみてほしいです。
失敗を責める人もいなければ、挑戦を笑う人、頑張りを悪く言う人はいませんし、もしそういう人がいたらLEADを辞めてもらうと決めています。
普段のスクールは、なにか評価される発表会の場ではなくて、練習場。訓練するところ。
もっとお腹の底から声を出して、声を張っていきましょう!
そして、大事な時に声を出せる人になってほしいです!
それでは今日はこのへんで。
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