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メンタルコーチ 前田佳奈
家庭や学校、会社、クラブ活動など、様々なところで使われる
飴と鞭(アメとムチ)
今の時代の子どもたちには効果があるのか?考えてみたいと思います。
飴と鞭(アメとムチ)の意味
まずは「飴と鞭」の言葉の意味について、ググって(調べて)みました。
飴と鞭とは、しつけなどにおいて、甘やかす面と厳しくする面を併用するたとえ。 また、一方でおだてと脅しを併用し、人を支配すること。
もともとはドイツで生まれた言葉で、ドイツ語では「Zuckerbrot und Peitsche(甘いパンと鞭)」だそうです。
ドイツ帝国時代にビスマルク宰相が行った政策が由来で、ビスマルク宰相は「医療保険法」「災害保険法」「養老保険法」を制定し、社会保障制度を充実させました。
今では当たり前のような社会保障制度ですが、当時は最先端を行く優れた制度だったそうです。
その一方で、社会主義者を弾圧する「社会主義者鎮圧法」を制定。
つまり、人々が好感をもつよう仕向けた後で(甘いパン)、社会主義者を弾圧するための法を施行した(鞭)ということですね。
ちなみに英語では「carrot and stick」と言われるそうです。
これは日本でも使いますね!
飴と鞭のメリット
「おだてと脅し」「人を支配」と聞くと、なんとなく今の時代には合わないんじゃないか?と思えてきますが、まずはメリットを考えてみたいと思います。
モチベーションアップにつながる!
例えば、子どもがお手伝いや何かを頑張った時に、ご褒美を与えることでモチベーションを上げることができますね。
私にも経験があります。
私が中学生の頃、世間ではPHSから「携帯」の時代になり、パカパカ携帯やスライド式の携帯が流行っていました。友達の何人かが携帯をもっていて、「着メロ」をダウンロードしているのがすごく羨ましかった私。どうしても携帯がほしくて、親に交渉してみました。
「次の加賀地区ブロック大会で優勝したら、携帯買って?」
昔は今よりもっとチーム数も多く、私のチームはそこまで強いチームでもなかったので、親も無理だと思ったんでしょうね。
あっさり交渉成立!
そして、見事優勝。
(携帯ゲット!笑)
自分で言うのもアレですが、私、その日は絶好調で。攻守ともに大活躍。周りの子にも必死に声をかけていて、「佳奈の顔を見たら安心できた」と試合後に言われたのは今でも記憶に残っています。
・・・親はどんな気持ちだったんでしょうか。笑
教育のメリハリがつく
褒めるところはしっかり褒める。叱るときはしっかり叱る。
教育にメリハリをつけることは、とても有効的だと思っています。
例えば、
- 会社で、仕事にとても厳しい上司が休憩時間はとても優しく、家族のことも気にかけてくれる。
- 練習中、厳しいコーチが、練習後はいろんな相談に乗ってくれて、冗談も言い合える。
- 普段とても優しい先生が、自分が悪いことをしたときに「本気で叱ってくれた」。
悪い点を指摘するときも、同時に良い点も伝えてあげることで、萎縮や反発を避けることができますし、時間が経ってからフォローしたりする、年上(目上)であっても悪い時はちゃんと謝るなど、こうしたメリハリは信頼を築く上でもとても大切だと思います。
飴と鞭のデメリット
物事には、良い面もあれば悪い面もありますね。飴と鞭も、使い方を間違えれば弊害もあります。
無気力感を招くことがある
飴と鞭に関して、マウスを使った世界的に有名な実験があります。
T路の迷路にマウスをいれて、右にはエサ(アメ)、左には電気ショック(ムチ)を用意すると、何回かの行動で常に右に進むようになるという実験結果が出ました。アメとムチ作戦、大成功ですね。
しかし、この実験には続きがあります。
左側の電気ショックを少し強めに設定して実験してみると、マウスは電気ショックを受けるとうずくまってその場から動けなくなってしまったのです。右にも左にも進まない、無気力状態になりました。
しかもこのマウス、ストレス性胃潰瘍を発症していたという話も…。
これは学生の相談を受けていると、よくあります。
指導者から強く怒られたり、失敗した時に罰を受けることが大きなストレスとなり(連帯責任など)、「何をやってもムダだ」「何をしても怒られるのだから、何もしないほうがマシだ」ということを無意識のうちに学んだ状態です。
選手の為、チームの為だといくら指導者が思っていたとしても、相手からすれば「この人は何をしても怒る。頑張っても報われない」と思ってしまって、無気力感を招いてしまうのです。
創造性が失われる
- 自分のことを自分で決める「自主性」
- 自分が「成長したい」という気持ち
- こうなりたい・こう在りたいという「目的」
そうした自分の内側からの内的動機が失われてしまう可能性があります。飴がほしいというのは、一時的な外的動機でしかありません。
何か大きな目標を成し遂げたいと思った時、外的動機だけでは弱く、達成しにくいのですね。
こんな実験があります。
絵をよく見て良く考えないと解けない問題を2つのグループに解かせて時間を測る実験です。
1つのグループには「早く回答すると報酬(お金)がもらえる」と伝え、もう一方のグループには「平均的な回答時間が知りたい」とだけ告げる。すると、前者の方が回答が遅かったそうです。
つまり、視野を広くして創造性を発揮したい場合、アメとムチは逆効果になるということです。
純粋に楽しめない
アメとムチがあるばっかりに、純粋に楽しめなくなるといったことも考えられますね。
例えば、試合なんかがそれにあてはまるかもしれません。勝ち負けがあるから純粋に楽しめない、というように。
(人や環境にもよりますが。)
あとは、親や指導者の顔色ばかりうかがってプレーするようになったり、褒められたい・認められたいという気持ちが強くなりすぎてしまうのも、純粋に楽しめない状況になっているでしょう。
アメと『ムシ』もアリかも!?
今どきの子どもたちに飴と鞭が効果的かどうかは、使い方によるのかなと思います。
うまく使えば効果的な部分もありますし、使い方を間違えれば逆効果にもなりますもんね。。。
あと、個人的には、アメとムシ(無視)も良いかもしれないと思っています!
無視というのは「シカト」「放っておく」というと聞こえが悪いですが、
- 見守る
- そのままを受け入れる
- 待つ
といった感じです。
良いときは褒めて、悪い時は罰を与えたり怒ったりせずに、見守る。
これも使い方が重要でしょうね。
(冷たい、育児放棄などと捉えられるかもしれないですからね。)
結局のところ、、、
そこに、愛は、あるんか?
そこに、愛は、あるんか?
ということでしょう!笑
それでは今日はこのへんで!^^
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